第二種電気工事士の受験条件は?誰でも試験は受けられるのか



特に受験資格は、設けられていません。学歴や年齢はもちろん、工場でのキャリアに関係なく受験することが認められています。

 

また受験する前に、取得しておくべき資格もありません。そのため第二種電気工事士の資格は、幅広い年代層から人気となっています。受験までの準備が手軽であるにもかかわらず、合格後スムーズにキャリアアップを目指せるのは大きな魅力です。


ちなみに経済産業省令で定める電気工学の課程を修了した人などは、筆記試験が免除されます。

 


二種の筆記試験はどうなっている?技能試験の出題形式もチェック

筆記試験と技能試験の両方に合格して、第二種電気工事士の資格は取得できます。


まず筆記試験は、4択から選ぶマークシート方式です。出題傾向は例年、ほぼ同じなので対策は立てやすいでしょう。

 

まず「電気に関する基礎理論」で、基本的な知識を問われます。そのうえで「配電理論及び配線設計」や、「電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具」「電気工事の施工方法」といった実践的な問題を回答しなくてはなりません。

また「一般用電気工作物の検査方法」「配線図」といった分野も問われます。

さらに「一般用電気工作物の保安に関する法令」では、法律の理解度も試されます。


次に技能試験の課題は、「電線の接続」「配線工事」といった基礎が中心です。

「電流の測定」や「電気工作物の検査」なども含まれており、出題内容は毎回変則的です。ただ一定時間で与えられた内容をこなすという、主な流れは変わりません。

なお必要な道具は、受験者の持参となります。

 

 


合格するための勉強時間は?いつから勉強を始めるべきか

筆記試験の合格ラインは、50問中30問以上の正解です。

しかもマークシート方式なので、難易度は決して高くありません。必死になって長時間勉強するというよりも、毎日コツコツと基礎的な知識を覚えていく勉強法が求められています。そのため試験勉強を開始するのは、本番の2~3カ月ほど前で問題ないでしょう。

 

勉強時間は1日30分~1時間ほどを目安とします。会社員であれば通勤電車や昼休みを利用するなど、効率的な時間の使い方を工夫しましょう。


一方、技能試験は1~2カ月前になってから勉強を開始するのが一般的です。

筆記試験に合格してから技能試験に進むまでには時間があるため、その間に勉強する意識でかまいません。1日1時間ほどかけて、じっくり技能を磨いていくのがコツです。

注意点として、とにかく正確性を求めることです。試験では時間内にさえ作業が終われば、スピードをそれほど重要視されません。雑に素早く作業をするより、丁寧に正しく作業をするほうが肝心です。

 


おすすめの勉強方法!テキストや動画などを駆使しよう

第二種電気工事士の勉強では、基礎固め」と「過去問に重きを置きましょう。

筆記試験で応用問題がまったく出ないとは言い切れないものの、50問で幅広い分野をカバーする以上、どうしても基礎が中心になりがちです。また出題には一定の傾向があるため、できるだけ多くの過去問に触れておくことが重要です。


代表的な勉強方法は「参考書」です。

試験対策の参考書では、要点が分かりやすく説明されています。また演習問題を通して、理解力を高められる構造です。何より過去問が掲載されている参考書も多く、実践的な勉強が可能といえます。試験の雰囲気をつかめて、当日になってから問題形式に戸惑うようなこともなくなるでしょう。


次に「動画教材」を使って、勉強する人も増えてきました。

質の高い講師陣が授業を行っている映像を通して、電気工事に必要な知識が吸収できます。自宅でリラックスしながら授業を受けられるのは、大きなメリットといえるでしょう。

 

費用はかかるものの、専門学校に通うのもひとつの方法です。

自分一人ではモチベーションが上がらないなら、教室に入ることで集中して勉強できます。目的を同じくした仲間とも出会えるので、お互いに刺激し合いながら電気工事の基礎を学べます。

 

 

 数学の知識は必要?高い学力がないと合格できないのか

第二種電気工事士の資格を取得するにあたって、数学の考え方は大きく関係してきます。筆記試験での電流や電圧についての問題では数字が出てきますし、ある程度の計算力も備わっていなくてはなりません。そのほか、理科の範囲と重なる問題も多く出題されます。総じて第二種電気工事士の資格試験は、理系のスキルがないと合格は難しいでしょう。

 

ただ、数学のエキスパートにまでなる必要はありません。難易度の高い問題であっても、問われるのはせいぜい高校までの数学の知識です。それ以上の学術的な内容は、電気工事士の試験では出てきません。


また、単純な暗記で克服できる問題もたくさんあります。たとえ数学が苦手な人でも、試験に特化した勉強さえ続けていれば6割の合格ラインを超えることは十分可能です。


筆記試験の次に待ち構えている技能試験は本人の練習次第なので、数学の知識以上に努力を求められます。




合格率・難易度は?他の資格試験と比べてどうなのか


年度によって第二種電気工事士の資格試験における、合格率は変わります。ただほとんどの年で合格率は50~60%あたりを記録しており、決して難関であるとはいえません。むしろ徹底的に試験勉強を重ねていれば、合格できるレベルの試験です。他の技能的な資格と比べても、易しい部類に入るでしょう。

 

なお筆記試験単体で見ると、合格率は55~65%ほどです。技能試験の合格率は65~75%ほどなので、どちらかといえば筆記試験のほうが難しくなっています。



自分に合った勉強方法で電気工事士を目指そう

第二種電気工事士の資格は、取得の難易度がそれほど高くないにもかかわらず業界内で重宝されるのが魅力です。

勉強方法としては参考書、動画、専門学校などがあるので自分に合ったものを見つけましょう。そして毎日少しずつ、勉強時間を確保していきます。

基礎的な内容を押さえておけば合格しやすい資格なので、忙しい社会人にもおすすめです。