電気工事士とは?具体的にどのような仕事をするのか

国家資格の一種であり、電気設備の工事を行うために必要な肩書が「電気工事士」です。電気工事は専門的な知識がないと本人が危険にさらされるばかりか、建物や住人に迷惑をかけることにもなりかねません。そのため、電気工事を行えるだけの能力を有している人だけが、作業に従事できます。電気工事士の資格は、工事現場において本人の知識とスキルを証明するのです。

 

電気工事士には「一種」と「二種」があり、それぞれ認められている作業の範囲が異なります。いずれも筆記試験と技能試験が設けられており、両方に合格してようやく取得が認められる仕組みです。

 

合格率は一種が毎年50%前後、二種が60%前後決して低くはありません。そのかわり、十分な対策を施さなければ落ちる程度の難易度ではあります。


ただし、電気工事士は定年のない資格です。一度取得したら一生の仕事にできるため、工事現場や工場で働く人から注目を集めています。

 


電気工事士の資格は一種と二種でどう違う?

認められている仕事」が最大の違いです。

 

第二種電気工事士を取得すると、一般用電気工作物についての作業が認められます。これはすなわち、一般的な住宅や小規模の店舗に該当する範囲です。具体的な定義は「600ボルト以下で受電する設備」となります。

 

それに対し、第一種電気工事士になれば「最大電力500キロワット未満の工場、ビル」の工事も任せてもらえます。巨大な電気設備を搭載している現場でも活躍できるので、仕事の幅は広がるでしょう。


一種は二種の上位に位置する資格です。それゆえに、資格試験の難易度も一種のほうが高くなります。




電気工事士の資格があると働ける職場はどこか?


まずは「建築現場」を受け持っている企業への就職がしやすくなります。

建築現場では電気設備に関する工事も欠かせません。しかし、こうした作業は一般の従業員にはできないので、電気工事士が必要となります。


次に、「電柱関連の業者」も電気工事士を求めているといえるでしょう。

電柱の建造、修理、メンテナンスにいたるまで、電気工事士は現場の中心を担います。また、第一種電気工事士になることで、巨大商業施設やビルの工事にも参加しやすくなります。

 

工場も電気工事士に合っている現場です。

業種にかかわらず、工場では動力源である電気設備の管理に注力しています。電気工事士として、設備の保守を請け負うことも可能です。

 

さらに、太陽光発電所では再生エネルギーに関する設備も導入しており、やはり電気工事士を求めています。もちろん、一般の住宅店舗に呼ばれて電気設備を取り付けたり、直したりすることもあります。


電気工事士の職場は多岐にわたり、就職や転職活動をスムーズに行えるでしょう。

 

 

電気工事士の平均年収!資格を取得するとどう稼げるのか?

2020年3月に政府が発表した「職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」では、「電気工」の収入が記載されています。


2019年度の電気工の平均月収は、10人以上の企業で32万6100円でした。賞与平均は81万1400円なので、平均年収は472万4600円です。1000人以上の企業になると、平均月収は34万7000円、平均賞与は73万1600円でした。すなわち、平均年収は489万5600円です。

もちろん、これらはあくまで平均なので、役職などの要素によってはもっと稼いでいる電気工事士もいます。

 

電気工事士は他の職業に比べて、平均収入が高いといえます。その理由は専門性の高さだといえるでしょう。電気工事士は、無資格の人にはできない作業を行うことができます。そのため、建築会社や工事会社、工場などで厚遇を期待できます。


就職した後でもキャリアアップを重ねやすく、経験とともに年収が高くなっていく傾向が顕著です。将来性や安定性のある仕事に就きたいのであれば、取得しておいて損はない資格のひとつです。

 

 


電気工事士に向いている人材の特徴を紹介!


まずは「機械に強い人」です。

電気工事士になれば毎日のように配線や機械と向き合わなくてはなりません。当然ながら理系の知識が必要ですし、長時間の作業も苦にならないことが絶対条件です。そもそも機械に興味がなければ、電気工事士としてキャリアを重ねるのは難しいでしょう。

 

次に、「忍耐力のある人」も向いています。

電気工事は上手くいくことばかりではありません。トラブルに遭遇するたび、因を追究して慎重に対処していきます。その繰り返しで、最終的に目的を達成できる仕事です。手っ取り早く結果を手に入れたいようなタイプだと、電気工事士の仕事をつらいと感じてしまうでしょう。

 

また、「几帳面さ」も電気工事士に欠かせない才能です。

電気工事は感電の危険がともなうだけでなく、一歩間違えれば配線や機械に大きな損傷を与えてしまいます。雑に作業をこなさず、石橋を叩いて渡るタイプに向いている仕事です。それに、分からないことを放置せず、その都度自分で調べる真面目さも求められています。

 

そのほか、「向学心」のある人も電気工事士向きです。

電気工事の世界は、常に進歩を続けています。新しい機械や技術が登場し続けており、電気工事士は絶えず知識を更新していかなくてはなりません。資格を取得したからといって勉強を止めてしまっては業界の中で取り残されてしまいます。


楽しみながら新しい知識を吸収できる人だと、電気工事士の仕事にやりがいを見出せます。そして、プロフェッショナルとして成長し続けられるでしょう。



電気工事士は現場で長く稼ぎたい人におすすめ

専門性の高い仕事ほど、工事現場や工場では重宝されます。

電気工事士はさまざまな職場で求められるプロフェッショナルなので、勤務先が広がります。しかも将来性に恵まれており、長期的にキャリアを形成したい人にはぴったりです。新しい知識を吸収し続ける向上心があるのなら、電気工事士の資格を取得してみてもいいでしょう。